熊本大学GP「IT時代の教育イノベーター育成プログラム」 国際セミナー
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実施報告

行事名
 熊本大学 国際教育セミナー
  -国際的に通用する高等教育プログラム-
主催者
 熊本大学
日時
 平成20年12月15日 16時00分~18時50分
報告者
 熊本大学 社会文化科学研究科 教授システム学専攻 大森不二雄
報告日
 平成21年1月14日

 実施したイベントの成果

 経済や文化の様々な側面で国際化が進み、現代社会が知識社会へと急速に移行する中で、現在の高等教育は、21世紀グローバル社会への対応と、グローバル化の一翼を担う知識社会の構築という新たな課題に直面している。今回の国際教育セミナーでは、英国ロンドン大学より、高等教育政策及び大学経営の専門家であるDavid Watson卿をお招きし、「知識社会に対応した大学改革-イギリスの経験 “Strategic management of universities in a knowledge society”」という演題でご講演を頂いた。英国ブライトン大学の元学長であり、また英国高等教育制度検討委員会の委員としてもイギリスの大学改革においてご活躍をされていたWatson教授は、知識社会における新しい大学の在り方と戦略的経営方法について、イギリスの例を用いてお話をされた。
 Watson教授は最初に、21世紀における高等教育の在り方が、従前と比べてどのように変化してきているかに言及し、現代の高等教育は、保守的かつ急進的、競争的かつ平等的、慈善的かつ営利的、ローカル的でありながら国際的、というような、相反する役割を担っていると説明をされた。更に、Watson教授によると、イギリスでは様々な機関において、プライベート(私的)とパブリック(公的)の境界が曖昧になってきており、高等教育もその例外ではないという。そのような中で新たな在り方を探求しているイギリスの高等教育においては、より広い視野や長いスパンで物事をとらえ、戦略的な選択をすることが求められている。高等教育の経営戦略を立てる際にまず考慮しなければならないのは、リーダーシップ(Leadership)、統治(Governance)、管理・運営(Management)の見直しであるという。またWatson教授は、知識社会における高等教育にはワールドクラスであること(World-classness)も求められていると述べられた。しかし、そこで重要だとされているのは、研究・出版、メディアの関心、大学施設といったものであり、教育の質や公的利益等は考慮に入れられていない、という教育的観点からは危険な面があることも指摘し、講演を締めくくられた。
 今回の講演には本学の崎元学長や西山副学長を含め大学内外から多数の参加者があり、講演後の質疑応答も活発に交わされた。グローバル化の一面である知識社会に、高等教育はどのような戦略的経営で対応しなければならないか、という本講演の演題に対する高等教育関係者の関心の高さが窺われた。

 今後の事業への反映

 本講演は、ビデオ撮影されており、教授システム学専攻GP事業の「国際遠隔共同授業の開発」において、実際の授業コンテンツとして使用される。また、Watson教授から得た知見は、本学における大学運営や国際化戦略にも参考にされるべきものである。
[文責:教授システム学専攻 特定事業研究員 竹内愛]

 当日の様子

 
ロンドン大学教育研究所 教授
David Watson 卿

 

 
熊本大学 副学長
西山 忠男
 
熊本大学 教授システム学専攻
大森 不二雄

 
会場の様子
 
会場の様子

 参加人数

【合計50名】
・学内 46名 事前登録:31名、当日参加:15名
・学外 4名 事前登録:4名、当日参加:0名