熊本大学GP「IT時代の教育イノベーター育成プログラム」 国際セミナー
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実施報告

行事名
 熊本大学 国際セミナー -高等教育の国際化と国際戦略-
主催者
 熊本大学
日時
 平成20年3月3日 13時30分~15時30分
報告者
 熊本大学 社会文化科学研究科 教授システム学専攻 大森不二雄
報告日
 平成20年3月31日

 実施したイベントの成果

 教育のグローバル(国際)化、国際連携や国際展開は、日本の高等教育機関、教育ビジネスにおいて重要な課題となってきている。熊本大学「IT時代の教育イノベーター育成プログラム」では、「グローバル化の先端を行く外国大学との戦略的連携による国際遠隔共同授業の開発」を取り組みの柱の一つにかかげ、我が国の教育のグローバル化への適応に貢献できかつ、国際連携や国際展開を主導できる人材の育成に取り組んでいる。
 今回実施した、高等教育の国際化と国際戦略に関するセミナーでは、中国やマレーシアに分校を設置するなど大胆な国際展開を推進し、本学と提携関係を構築している英国ノッティンガム大学から、Vincenzo Raimo国際部長をお招きし、主に、英国高等教育機関における国際化の現状、海外からの留学生の受け入れ、海外分校設立、海外大学との提携などに関して、ノッティンガム大学が国際化を推し進めていく上での戦略、アドミッションポリシーや教育提供などの様々な事例の紹介を基にしたご講演をいただいた。
 英国における高等教育機関の実情は、日本におけるそれと非常に多くの類似点、例えば、全国の高等教育機関数に対する入学者人口の減少など、があることが分かり、それらの問題に対する英国高等教育機関の対応も日本国内における多くの高等教育機関、とりわけ大学、が模索しているものと同一であることが分かった。ただし、英国においては、日本に比べ、はるかに徹底した取り組みが行われていることが大きな違いである。入学者人口の減少を埋めるための戦略は、社会人教育、リカレント教育の実施と、国際化、つまり、積極的に海外からの入学者の勧誘 (recruitment)、教育の輸出、国境を越えた教育の提供(TNE:Trans-National Education) によるものである。
 高等教育の国際化戦略において注視すべき点として、実施の価値と目的の明確化、十分な検討期間、カリキュラムのシステマティックな対応等々、注視すべき点は多いが、同氏は、特に、国際化の実施が実施機関の価値と目的、この中には、収益、教育の質と多様性、社会的責任などが含まれている、に合致したものでなければならないことを第一義に強く示され、その必要性を十分に認識することができた。
 さらに、ノッティンガム大学での国際戦略において国際部 (International Office) の果たす役割に関しては、今後の本学ならびに、各高等教育機関における国際戦略の立案、実施において非常に有益となる多くの示唆を含むものであった。同部は、日本の大学の多くの国際課等が行っている入学者の勧誘や外国人留学生補助等の学生サービスのみならず、同大学の国際戦略を学内スタッフに周知させるための活動や、海外の大学との教育、授業提携を行う際には、統一された窓口になるだけでなく先方の事前調査、実施にあっては、事前の具体的なカリキュラム調整や教育の質保証を担保するための内容の精査なども手がけており、同大学の国際戦略において、自由裁量を有した方針、戦略の決定に対して、積極的な関与が可能な組織であることが分かった。今回の講演から、大学における国際戦略に際しては、組織改革、改善を含んだ、ビジョンの明確化の重要性を認識することができたと考える。
 講演後の参加者を交えた討議、意見交換会では、本学において実際に国際化、国際戦略を手がけているスタッフとの、実務、事務的な意見、情報交換を行い、教育の国際提供を実施するための教員側のノウハウなども講演者から伺うことができ、今後、本学における国際化に従事していく教職員にとって非常に有意義な場を持つことができた。

 今後の事業への反映

 本事業における今後のグローバル化の先端を行く外国大学との戦略的連携による国際遠隔共同授業の開発では、ノッティンガム大学国際部との国際連携により、コース開発を進めることになった。また、本講演から得られた知見は、今後の本学における国際化戦略において様々に活用すべきものになったと考える。
[文責:教授システム学専攻 准教授 松葉龍一]

 当日の様子


ノッティンガム大学 国際部長
Vincenzo Raimo 氏

 
熊本大学 教授システム学専攻
大森 不二雄

 
会場の様子
 

 参加人数

【合計47名】
・学内 45名 事前登録:2名、当日参加:43名
・学外 2名 事前登録:1名、当日参加:1名